VT250

VT250が発売された年を振り返る

VT250シリーズが発売された年についてまずは振り返ろう
VT250シリーズは平成28年排出ガス規制においての不適合になったことが当時話題になり、VT250が好きな人はその日一日をどんよりとした気持ちで過ごすことになったのは記憶に新しいことだろう。
このVT250シリーズの先駆けとなったのが初代MC08型の『VT250F』で誕生したのは1982年となる。

1982年に何があったのかあまり思い出せないという人は、東北新幹線が開業した年とか中曽根康弘内閣が発足した年とか、テレホンカード登場して販売が開始された年といった時代を象徴する事柄とセットで思い出していただけるとよりVT250について親近感を覚えられるのでおすすめである。

VT250の歴史について

VT250の始まりである1982年について思い出してもらったのなら、このVTシリーズの歴史を軽く見ていこう。
始まりであるMC08型のVT250F、通称『FC』は1980年にヤマハがRZ250で開拓したといってもいい250ccクラスに殴り込む形で1982年に発売された。
多少遅れて殴り込む形になったが、レーサーNRの技術をこれでもかと敷き詰め斬新な仕上がりを見せたVT250FはヤマハのRZ250と対抗出来る位置まで上り詰め、当時の250ccクラスの双璧となる。

この2台の活躍で400ccのお下がりクラスとしての蔑称が完全に剥がれ、新たなスポーツモデルがあふれる魅力的かつ過熱しすぎてしまう市場ができあがった。
この勢いもあってか派生モデルとして1983年にフルカウルをまとった『VT250Fインテグラ』が誕生し、1984年にMC08後期型となるVT250Fも誕生する。
いわゆるフルモデルチェンジで誕生したのが1984年の後期型VT250Fでこのモデルも人気があり派生モデルがいくつか誕生することになった。

しかし、4ストローク直列4気筒が主流となるブームがヤマハの『FZ250フェーザー』により誕生してしまい、ホンダも舞台を移し直列4気筒モデルである『CBR250』を主役にするべく活動を開始したので、スポーツモデルの先駆けとなったVT250シリーズの歴史は一旦ストップすることになったのだ。

名車と言われる理由

時代の流れによって直列4気筒モデルに押し出される形になったのは事実だが、エンジンの耐久性がとても高くさらにトルクが扱いやすいことでスポーツモデルをそこまで求めていない方や業務用としてバイクを長期間扱う方々から高い支持をずっと得ていたことがあるだろう。
バイク便などの仕事をしていた方にとって、名車をリストアップして欲しいといったお話をすると高確率でこのVT250が登場する。

2010年も現役だったが無念

このように根強い人気があったためか2010年代に突入してもコンセプトや基本設計が同じのエンジンを搭載しているVTRが販売されていたのは記憶に新しい。
しかし、2016年に施行されてしまった新しい排ガス規制によって対応させることが出来なかったため、2017年8月31日に生産終了となってしまった。
こういった歴史を背負っているのもあって、より愛される名車となったのだろう。