メグロK3

ツーリング

カワサキはW800をベースにした大排気量のネオクラシック「メグロK3」を発表した。カワサキの大型スポーツタイプの原点ともいえる「メグロ」シリーズが復活したのだ。

メグロK3の特徴

メグロK3は、カワサキ「500メグロK2」の後継モデルだ。55年ぶりのニューモデルでW800からの原点回帰モデルとなる。スタイリングはメグロを押し出しつつ、先進技術を投入している。
特徴的な銀鏡塗装とハイリーデュラブルペイントのタンクだ。エンジンはW650をベースにリファインして、ユーロ4排出ガス規制に適合。スペックは無印のW800を踏襲したもので、ホイールは前19後18インチを装着し、車重はW800より1kg重い227kgとなっている。シート高は790mmで全幅は925mm。ハンドルバーは幅広タイプとなっている。ABSやLEDヘッドライトを採用し、日本仕様にはETC2.0車載機も標準装備された。
発売は2021年2月1日で価格は127万6,000円。

メグロの歴史

メグロは1924年に創業した目黒製作所が手がけていたスポーツバイクブランドだ。大排気量かつ高性能、高品質を謳い、当時のライダーから憧れの的だった。
当初はマン島レースを優勝したベロセというバイクをもとに手がけたのが大型バイクのZ97。国や軍を中心にヒットした。しかし、太平洋戦争が始まりバイクの生産を中止する。戦後、事業を再開するもホンダやスズキといった後発メーカーの人気に押されたため、ミドルクラスのバイクも開発していく。中でも250ccクラスのジュニアシリーズは人気で、目黒製作所最大のヒットとなる。そして、1960年に497cc二気筒のスタミナK1という大型スポーツバイクを発売するも、最後のスポーツバイクとなった。ホンダやスズキの人気が大きくなったため、目黒製作所は窮地に陥る。
その頃、バイクや自動車などエンジン製作を行っていた川崎航空機株式会社がバイクの製作・販売をするため川崎明発工業を設立する。大型バイクのノウハウが欲しかった川崎明発工業は川崎自動車販売となり、目黒製作所と業務提携を結ぶも、目黒製作所は倒産してしまう。
結局、カワサキ自動車販売に吸収・統合されたことでメグロのブランドは消滅。しかし、メグロはWシリーズの元となったモデルで、カワサキのスポーツバイクの礎となった。中古車でも少なからずレストアされたメグロK2を見ることができる。