ZX-10
ZX-10が発売された年について
ZX-10は川崎重工業が1988年に日本国外向けに発売されたオートバイであり、GPZ1000RXベースの水冷4ストロークDOHC並列4気筒16バルブ搭載大型バイクだ。
今でも通用する化け物スペックを有する最高傑作という呼び声も高く、時代のつなぎや狭間に消えて言ってしまった1台と評する声もありますが、掘り下げることでその真実の姿に驚く人も多いバイクとなっていると言えるだろ。
1960年代から1980年代が日本国内におけるバイクが最も盛り上がった時期であり、1988年となるとそのブームが終わる間際に差し掛かっているのもなんとも言えない味わいがある。
1988年に思いをはせてもらいたい故に、当時何があったのかを掘り下げてみよう。
1988年は青函トンネルが開通し、東京ドームがオープンした年でもある。
さらに瀬戸大橋が開通した年でもあるのだ。
当時からファミコンに触ってきていた方なら『ドラゴンクエスト3』が発売された年と表現すれば一発で想像できると思う。
名車と呼ばれる理由
名車と呼ばれる理由はシンプルで、登場したのが1988年なのにあまりにもハイスペック過ぎることから現代でも通用してしまうことだろう。
なんと言っても最高出力137psで最大トルク10.5kg-mとなかなかに衝撃的な数値であり、最高速度も夢の300km/hまであと一歩である270km/hだったのだ。
発表された当時はあまりにも化け物過ぎるそのスペックに公道を走るのがもはやおかしいと評されるレベルであり、最強とか最速といった言葉がまさにぴったりの名車になっていた。
フラッグシップモデルとして
当時のカワサキにおけるフラッグシップモデルはGPZ900RとGPZ1000RXであったが、このZX-10は3代目となるフラッグシップモデルであった。
そもそもの初代フラッグシップモデルのGPZ900Rからわずか2年後に誕生したGPZ1000RXも最強マシンとか最速マシンとして扱われることが多かったのだが、スーパースポーツの象徴を目指していたカワサキにとっては満足できなかったのだろう。
その結果誕生したのがZX-10だが、こいつはGPZ1000RXでは満足することが出来なかった開発陣がとにかく足回りやフレームなどをリファインし、エンジンの大幅見直し及び改良が施された結果誕生したのだ。
要するに、あらゆる局面においてのバージョンアップが施された結果、カウリングなどを含めて大幅に変わり初代ニンジャと見た目を比較すると本当に血を受け継いでいるのか確認したくなるレベルになってしまったのである。
その後はZZR1100に続く
カワサキのGPZ900Rから始まったと評される大型自動二輪車の歴史は、ZX-10を経てZZR1100に続いていきます。
1989年に東京モーターショーで発表されZX-10の後継車としての位置づけとなったZZR1100は北米仕様ではニンジャZX-11と名乗り、名前からも色濃い血脈が見て取れるだろう。
1996年にホンダのCBR1100XXが登場するまでは最速の地位をほしいままにしていたZZR1100は何度もモデルチェンジを繰り返しており、バイカーを虜にし続けることに成功したのだった。