GS750
GS750が発売された年
GS750は、スズキが1976年11月に発表し、翌1977年に発売したバイクである。
スズキはそれまでほとんと4ストロークエンジンのバイクを開発しておらず、周りのバイクメーカーに後れを取っていた感があった。
特に500cc以上の大排気量のバイクについては、カワサキやホンダなどはすでに市販車でもレース用マシンでも4ストロークエンジンに切り替えつつあった。
その中で、スズキは20年以上に渡って2ストロークエンジンで通していたのだ。
それが、このGS750の登場によって大きく変わることになる。
750ccクラスの排気量で4ストロークエンジンとしているのだ。
このGS750はレースを強く意識したモデルで、排気量が大きいだけでなくレスポンスやトルクなど、レースでも勝てるスポーツ性能を持っている。
スズキとしても、レーサーベースとして基幹となるモデルを開発したいという思惑があったため、GS750に大きな期待をかけていた。
GS750を発売し大きな成功を収めると、さらにサイズアップしたGS1000や、走行性能をさらに押し上げたGS750シリーズの後継機を次々と投入していく。
このように1977年発売のGS750は、スズキのレーサーバイクの歴史を変えるモデルとなり、その後の開発にも大きな影響を与えたのである。
GS750が名車と呼ばれる理由
GS750が名車と呼ばれる理由は、現在につながるスズキのビッグバイクの基礎となっているからだ。
スズキのレーサーバイクの代表と言えば、今ではGSXがある。
GSXシリーズとGS750の大きな違いは、4バルブというところくらいで、4ストロークのDOHCエンジンという基本は変わっていない。
まさに、スズキレーサーバイクの礎となったモデルなのである。
それだけにスズキの根本とも言えるものが詰まっているバイクで、エンジン性能やレース仕様のデザインなど、魅力的な面がたくさん詰まっているのだ。
重厚感があり安定した走りができるというのも、GS750の良さである。
どっしりとしたボデイ―とそれを動かしていくエンジンユニットの力強さのバランスは、70年代の特徴的な設定で、時代を感じさせるところが人気の理由となっている。
特にGS750では、以前のモデルとは違いフロントにダブルディスクを採用している。
それに合わせてスポーツホイールを履かせて、タフな動きができるようにした。
その分、車重が一気に増しているが、パワフルなエンジンによって動きが鈍くなることはない。
むしろ粘りのある安心感を与える走り心地を感じられるようになり、レースでも長距離ツーリングでも楽しめる一台に仕上げられているのだ。